top of page

VT富戸のWeekend Space

kawanaoa_house7.jpg

ダイニングからリピングを見る。可動の木格子が敷地の端と窓の間をプールの壁を利用して移動し、不在時には防犯措置になり。また陽射しが強いときの日除けや相模湾からの強風対策にもなっている。この木格子はしとみ戸のように跳ね上げることができ、プール使用時の日除けになる。

vt (1).jpg

リビングからプールを見る。*1

kawanaoa_house9.jpg

1階ダイニングとホール・ゲストルームをつなぐ段、屋根に設けられたトップライトから光が落ちる.*2

新建築 1992:10文章

この建物は、東京在住の家族の週末住居であるが、老後には永住の場所としようと考えて計画された。私は、数年前から、建物の輪郭ではなく、開口のパターンで建築の個性をつくり出す可能性について考えている。このようなテーマは本来、都市部で建て詰まったところでこそ本来の意味が発揮されるテーマともいえるが、このような別荘地といえども、日本では大抵隣家が接しており、街並みを考えると全体のマッスの輪郭は控えめでありたい。

この建物では、静的な開口のパターンだけでなく、もっと開口の動的なあり方を探った。それは使い勝手からいえば目的に合わせて、開き具合、光の透過度等を変えられることであるが、現象的に言えば、開口回りの空間がいろいろな現れ方をすることである。たとえば、居間の前の木格子は可動になって、敷地の端と窓の間をプールの壁を利用して移動させることができ、開放的な眺めと不在時の防犯措置と陽射しが強い時の日除け、そして相模湾の強い風に対する防護柵機能をひとつで実現できる。さらにスチール枠に組み込まれた木格子の一部はしとみ戸のように跳ね上げることができる。これの開閉で部屋の雰囲気もがらりと変わる。この建物には大きな吹抜けがなく、代わりに幅1m弱のスリットが3本切られ、1階と2階をつないでいる。この吹抜けに面して回転扉が設けられて、2階の部屋から1階を覗き見ることができ、ある時は光のレフレクターとなって細いトップライトからの光を部屋に導き入れることができる。

格子で囲われたアプローチからは2階の内部廊下が見え、これをショーウィンドウのように設えて、アプローチに向けて絵を飾っている。障子の位置により、このショーウィンドウの奥行きが伸縮する。状況や使用者によって透明度を変える融通無碍な透明性を”vibrating transparency”(振動する透明性)と呼ぶことにしている。

kawanaoa_house2.jpg

可動式の木格子雨戸の模式図

kawanaoa_house12.jpg

*2

kawanaoa_house4.jpg

南側外観。*2

kawanaoa_house11.jpg

配置図

vt_1 (1).jpg

1階平面図

vt_1 (3).jpg

2階平面図

vt_1 (2).jpg

断面図と東立面図

vt (3).jpg

2階寝室、正面の開口からはトップライトから採光した光が入る。*1

vt (2).jpg

ホール・ゲストルーム、奥が寝室、手前トップライトの奥手にテラスが見える。*1

vt (4).jpg

2階ホール・ゲストルームへの階段から奥の寝室方向を見通す。*1

img039.jpg

1階エントランスから2階へアプローチする階段部分.内部に見える廊下は、開閉する障子の位置により奥行が伸縮する.*2

kawanaoa_house5.jpg
kawanaoa_house3.jpg

断面詳細図

海を望むテラス。*2

所在地 静岡県伊東市富戸

主要用途 週末住宅

建主 個人

 

設計

建築・設備・監理 大野秀敏+アプル総合計画事務所 建築担当/吉田明弘 矢島夏江 建築・監理担当/萩尾恵子

構造 TIS & PARTNERS 担当/今川憲英 川村大樹

 

施工

建築 大同工業 担当/川口保 星屋雅彦 田中裕一

空調 ヨコモ 設備担当/横山求也 

衛生 稲木設備工業 担当/稲木孝彦

電気 小川電気商会 担当/小川久

 

面積

敷地面積 629.25m2

建築面積 67.68m2

延床面積 116.99m2 1階 63.31m2/2階 53.68m2

建ぺい率 10.76%(許容:20%)

容積率 18.59% (許容:40%)

階数 地上2階

 

寸法

最高高 6,850mm 軒高 5,760mm 階高 1階:2,980mm

天井高 2階:2,330mm

主なスパン 13,200mm×10,200mm

地域地区 用途地域指定なし 防火指定なし 国立公園地域内第2種特別地域(分譲地) 22条地域

道路幅員 西6.2m

駐車台数 2台

構造 鉄筋コンクリート造(厚肉床壁構造) 一部木造(屋根)

杭・基礎 杭基礎

 

空調設備

空調方式 空冷ヒートポンプエアコン 石油温水式床暖房(1階リビン グ・ダイニング)

 

衛生設備

給水 上水道直結

給湯 灯油給湯器 電気温水器 温泉苑内温泉供給施設より引込み

排水 浄化槽処理後苑内排水管に放流

その他 プール濾過設備

 

設計期間 2000年12月~2001年5月

施工期間 2001年6月~2002年3月

 

外部仕上げ

屋根 ガルバリウム鋼板折版 t=1.0mm(H=85mm W=600mm 山ピッチ200mm) トップライト FRPグラスライト折版(H=88mm W=600mm 山ピッチ200mm)

外壁 南側:コンクリート打放し(増し打ち20mm) 薄塗モルタル下地の上ナプコホワイト塗装

東側:コンクリート打放し(増し打 ち20mm) 撥水剤塗布

北側:木製ルーバースギ100mm 角(化粧材) @1,200mm(H≧3,900mmより@600mm) スギ小幅板20×100mm @150mm キシラデコール塗布

西側:スギ小板20×100mm @150mm 目透し張 キシラデコー ル塗布 コンクリート打放し(増し打ち20mm)

 

開口部 木製サッシュ アルミサッシュ(浴室ジャロジー)

外構 テラス:コンクリート平板ブロック300mm角芝目地t=20mm プール:防水モルタル t=30mm アクリルウレタン塗装(大同塗料プ ールコートスペシャルAU) プールサイド:防水モルタルt=30mm 金ゴテ仕上げ ノシバ

 

内部仕上げ

リビング・ダイニング

床 ビアンコカララ300mm角 t=10mm

壁 コンクリート打放しシーラー塗布の上 EP 吹付断熱t=15mmの上PB t=12mm GL EP

天井 RC打ち放し

シャワー室

床 磁器質タイル20mm角(INAXポリコンモザイク)

壁 磁器質タイル150mm角(INAXスノーマット)

天井 耐水PB t=9.5mm VP

主寝室・ゲストルーム

床 白モルタルt=30mm金ごて仕上げ 撥水剤塗布

壁 コンクリート打放しシーラー塗布の上EP 吹付断熱 t=15mmの上PB t=12mmGL EP

天井 PB t=9.5mm EP

トップライト フロートガラスt=6mm 飛散防止sフィルム 透光断熱材t=6mm (ルームラック)

階段 踏板: 蹴込板ホワイトアッシュ t=22mm ポリウレタン塗装 壁:強化ガラス t=10mm

 

浴室

床・浴槽 伊豆石300×600mm t=25mm

壁 磁器質タイル150mm角(INAXスノーマット)

天井 耐水PBt=9.5mm VP

 

テラス

床 スギ小幅板90×21mmキシラデコール塗布 グレーチング(クローズエンド) ノンスリップ t=38mm

手摺 St.Φ=27.2mm H=1,100mm 溶融亜鉛メッキの上FE

撮影:*1 新建築写真部

撮影:*2 北嶋俊治/アーキフォト

bottom of page