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医療型児童発達支援センター新山口
受賞:日本建築学会作品選集2023、JIA建築年鑑2022-2023、2021年度グッドデザイン賞受賞、第15回キッズデザイン賞受賞、日本空間デザイン賞2021入選

公園に繋がる歩行者専用道路に沿って、リズミカルに波打つ立面。施設利用者と市民の距離を縮める。
線状建築は都市的である
「医療型児童発達支援センター新山口」は児童発達支援と放課後等デイサービスを担う複合施設である。1階の児童発達支援はASD*、ADHD**、LD***、知的障がい、肢体不自由児、ダウン症など様々な障がいのある小学校就学前の子どもの生活の質の向上の支援を行う。一方、2・3階の放課後等デイサービスは、障がいのある児童生徒(小~高校生)の放課後や長期休暇中の居場所を作り、日常生活の動作・運動機能の向上、就学に向けた準備、コミュニケーションの円滑化などに向けた訓練などを提供する。共働きなどの家庭の支援する側面もあることから障がい児・者の学童と言われる事がある。いずれも児童発達支援管理責任者、児童指導員任用資格、保育士、社会福祉士、理学療法士、作業療法士などの資格をもった職員が張り付く。 「はあとキッズ i新山口」を運営する社会福祉法人青藍会は、同じ敷地内に、診療所を併設した病児保育室+小児リハビリ(改修設計:アプルデザインワークショップ 2021年竣工)と、はあと保育園新山口(設計:アプルデザインワークショップ 認可保育所180名 2014年竣工)を運営している。これらが近接することによって、きめ細かな対応と質の高い支援が可能になるばかりか、健常児と障がい児の共生環境をつくって、多様性のなかを生きる逞しく思いやりのある子供を育てる環境となることが期待される。また児童発達支援は山口県において二カ所目で利用者は広域に広がるので、新山口駅の徒歩圏という立地は障がい児・者を抱える親にとっては嬉しい。

配置図
・A、はあと保育園新山口(2014年竣工、認可保育所180名)
・B、ハートホーム新山口1階改修(2021年竣工、定期巡回事業所)
・C、ハートホーム新山口1階改修(2021年竣工、小児リハビリ)
・D、ハートホーム新山口1階改修(2021年竣工、病児保育室)
・E、ハートホーム新山口1階改修(2021年竣工、診療所)
・F、医療型児童発達支援センター新山口(2020年竣工、児童発達支援、放課後等デイサービス)

ジグザグの壁が、ちいさい居場所をつくり出して緩やかに繋げていく。細長い敷地形状をいかした2階訓練室。
さて、実際に建てられる場所は既存の老人介護施設「ハートホーム新山口」の南側の歩専道との境界線に沿った範囲は概ね幅8m奥行き40mに土地に限られる。こういう土地は都市的には極めて高いポテンシャルを秘めている。大通り側には縦長のプロポーションの妻面が西からのアイストップになり、歩専道沿っては歩行者との視覚的交流の可能性があり、老人介護施設側には落ち着いた中庭ができるからだ。われわれの設計は、まず、長手の壁をジグザグに蛇行させることから始めた。次に、開口部と壁を交互に配列する。こうするとリズミカルで抜け感が気持ちの良い立面ができる。南側と北側で壁(開口)の位置をずらせると、内部にどこにいても必ず片方には視界が開き、内外の関係が見えすぎず閉じ過ぎずとなる。こうして長い廊下のような空間が、柔らかく節づけられた心地よい居場所の連らなりに化ける。縦方向にもジグザグの平面を階ごとにずらす。そうすると市松パターンの立面ができ上がり、50%の開口率を確保してなおかつ壁面全体を耐震壁にすることができる。最上階の天井=屋根を片流れにすれば、小さい建築でありながら、立体的で驚きのある居場所が出来上がる。色彩は、隣接する老人介護施設も保育園も黄色系のアースカラーを用いているので、ここでも建物の内外をベンガラ色にした。「医療型」ということから白色などにするのが一般的かもしれないが、医療施設にうんざりしている障がい者にとっては、ひと目でここが生活施設だと感じられ、暖かく包まれるような感覚が得られる彩度と明度のアースカラーが好ましいと考えた。
*自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群、**注意欠如多動性障害、***学習障害

構造アクソメイメージ

・屋根を傾斜させることで3階の訓練室の天井高に変化をつけ、ロフトを挟み込み、ボルダリング壁、ハンモックなどを設けて小さいながら立体的な遊び空間とした。

近隣公園側に外部避難階段を設け、公園を眺めわたせる場所にした。
