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国際会議場
インド工科大学ハイデラバード校

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会議場の機能14 棟に分け,それぞれの四周に大きな庇を回し,それを連結して日影のパッサージュをつくる.開 口 部 には白いタイルで隈取りし ,内部の多様性を象徴させている . 写真の庇の出は 2.4m,1 階床から庇下端までの高さは 12.5m.

活動を繋ぐパッサージュ──国際会議場(Convention Centre)

先端的な研究活動を展開する大学にとって,キャンパス内に 大規模な国際会議が開催できる施設を持つことは、大学間競争を勝ち抜くためにきわめて重要なことである.そのような戦略から,マスタープランでは会議参加者の宿泊を提供 する国際交流会館と共に,キャンパスの入口に近い場所が 割り当てられた. 多様な性格の大小の部屋を擁することから14棟に分けた. 最大の棟は大会議室,最小の棟はエレベータ1台を収める だけで,また 2 棟は中庭である. 各棟頭の四周に庇を回した.庇はインド伝統建築の重要な 要素である.向かい合う棟の間には隙間を取って少しだけ光 を 入 れ る . 棟 間 の 移 動 は ,庇下にできるパッサージュと 2 階 レベルのブリッジを使う.この空間には空調がない.少なくとも1 年の大半(10 ~ 6 月)が乾季である当地では, 風が抜ければ気温が高くても日影は快適である.

この種の施設では,会議の間の休憩時間や会議後の時間をどう過ごせ,有意義な会話ができるかで会議の質が決まる.

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国際会議場のパッサージュから調整池越しに国際交流会館を見る.パッ サージュの端部は四方に開放され,それぞれ周辺の施設が視野に入る. マスタープランではキャンパス中央の調整池が景観要素として適切に位置付けられていなかった.東京大学設計チームは池を国際交流会館と国際会議場の両方が面する位置に移動し ,池の護 岸を階段井戸を連想させる形に変え,ボイドのランドマークとすることをIITHに提案した.

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先端的な研究活動を展開する大学にとって、キャンパス内に本格的な国際会議施設を持つことは重要なことである。
マスタープランでは、国際会議場と国際交流会館(前回紹介)、ビジネスインキュベーションセンターなどで構成される交流活動のための地区が設けられている。ただし、近くに置かれた調整池が景観要素として適切に位置付けられていなかった。我々は、国際交流会館と国際会議場の両方が面するように池を移動し、池の護岸を伝統的な階段井戸を連想させる形に変え、ボイドのランドマークとする案を大学側に提案し、受け入れられた。
国際会議場を構成する諸室には大ホールから小セミナー室まで様々な規模の部屋がある。これらには、収容する人数や、視認性、音響性などのさまざまな要請を満たさなければならない。その性能は、会議場の使い勝手を左右する。
同時に、会議前後に会議室周辺でおこなわれる出席者どうしの交流、たとえば発表に対する意見を聞いたり、関心を共有する人と研究情報の交換を約束したりと、場合によっては会議以上に重要な場になる。

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カフェテラス棟内部.大ホール(500 人収容)とセミナー棟を繋ぐブリッジが赤いカフェテラス棟を貫通する.当所ここは屋外で計画したが,現場段階で大学の要望でテント屋根で覆った.

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​西側立面図

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各棟の庇の間には,エキスパンションジョイントを設け,細いトップライトとした.

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青く塗られた中庭棟は日印友好を記念する石庭.床は地元の職人による象嵌技法を用いた大理石仕上げ

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国際会議場は、大ホールから小セミナー室まで様々な規模の部屋、そして管理する事務室、飲食のためのカフェで構成される。動線として階段室やエレベータも必要である。
これらの様々な機能を12のグループに分け、それぞれの規模と機能に最適化して独立したパビリオンとする。パビリオンは構造の単位でもある。

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赤い中庭のあるカフェパビリオン

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配置図+1階平面図

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そのほかに、2つの中庭のパビリオンがある。カフェと日本庭園である。合わせて14のパビリオンの四周に庇を回す。向かい合う2つの庇が出会い「日影のパッサージュ」を作る。そこは移動と交流の場である。暑いインドでは日射を遮ることが快適性、熱負荷の低減などから好ましい。日影のパッサージュは四方に開いている。

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パッサージュ見上げ.左にセミナー棟,正面に階段棟,右に石庭棟.庇の段差部分にはメッシスクリーンを設けて, 雨の吹き込みと直射日光を和らげている

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パッサージュスタディスケッチ

インドで建築をつくる
インドは中進国から先進国を目指して発展しつづける熱気のあふれる国である。日本の様にそれなりの質の建造物が行き渡り、需要を作るのに四苦八苦している国とは違い、粗悪な構造物が街中に溢れている。ちゃんとした建物を作れば、使う人々が豊かになれることを実感できる国である。
日本では、そういう満足感は設計活動で得にくくなっている。
私自身は、海外での竣工経験がほとんどないまま、この巨大プロジェクトに取り組むことになった。ある意味ではかなり無謀なことであるが、協力者が力強く、なんとか責務を果たすことができた。それを前提で私が経験したことが役にたつかはわからないが、備忘録としたい。
インドにおける設計の業務段階の構成や関わるコンサルの責任分担は、イギリス式で日本と少し違うが、基本的には理解できるし、少し努力すれば対応できる範囲内にある。
今回は、基本設計と実施設計をわれわれが東京でおこない、発注契約図作成と現場監理をインドの設計事務所がおこなった。(大野秀敏)

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インドの建設状況をかいつまんで書けば、まず、サッシと駆体のあいだに逃げを取らないことには驚いたが、それを除けば副資材(たとえば軽鉄)の種類も、納まりの考え方も違和感がない。床材や壁仕上げに関わる工業製品の建材もほとんど日本と変わりはなく使える。素材では木材は非常に高価で、石材は非常に廉価でごく普通の仕上げ材である。こうした違いはあるが、日本できちんとした設計の経験があればインドに行っても会話が成立するだろう。
私の最大の困惑は、仕上げに対する常識の違いであった。

インドの建設のレベルは、明確に二分されているようで、高級ホテルやオフィスビルは国際水準。他方、地場のビルはじられないほど雑である。2つの間に深い溝がある。IITHの工事を受注したした工事会社はインドで最大の建設会社で、現場も整頓され、コンクリート躯体もきちんとできていた。ところが、シールや塗装となると酷い。どうしてこうなのか理解に苦しむ。はみ出ていても、施工ずみの他の仕上げを汚してもまったく気にしない。おそらく、地場レベルの単価設定だったのだろう。そういうことを事前に知っていれば対応できたのではないか。
それはそれで問題だが、一方で小さな傷ひとつ許さない日本の過度な不寛容な環境を離れて、建築の空間に集中できたことは代え難い経験だった。(大野秀敏)

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作品名 インド工科大学ハイデラバード校

設計  東京大学IITHキャンパス施設設計チーム(基本設計)日本設計+アプルデザインワークショップ(実施設計)

施工  L&T Technology Services

所在地 ハイデラバード

英文作品名 Indian Institute of Technology

architects: IITH Campus Design Team of the University of Tokyo ,NIHON SEKKEI,Inc. APL design workshop

国際会議場(Convention Center)

敷地面積 12070m2

延床面積 17,124m2

建築面積 6,630m2

階数 地上4階

構造 RC造

工期 2019年3月〜2021年2月

写真:浜田昌樹 (kkpo)

*******詳細********

設計
建築
東京大学IITHキャンパス施設設計チーム
(基本設計)
チーム長/藤野陽三
デザイン統括/大野秀敏
意匠設計/大島耕平 外村和隆 木村留美
学術交流担当/田村順子
日本設計(実施設計,基本設計支援)担当/遠藤建* 戸部芳行 西本良樹 大島未香子
アプルデザインワークショップ(実施設計,基本設計支援)担当/江口英樹 猪飼洋平*


構造
東京大学IITHキャンパス施設設計チーム
日本設計
担当/小林秀雄 西川耕二 今富陽子* 田中康隆*


設備
日本設計
担当/石川修三* 大谷陽介 針尾重樹


監理
HCP(発注図書作成含む)


施工
建築 L&T Technology Services

 

規模
敷地面積 12,070m2
建築面積 6,630m2
延床面積 17,124m2
階数 地上4階


寸法
最高高 18,600mm
階高 4,000mm
天井高 2,600mm

主なスパン 大ホール:6,000×6,000mm
 

構造
主体構造 鉄筋コンクリート造
基礎 直接基礎
空調設備
空調方式 大空間・高天井部:単一ダクト空調方式(居住域空調システム) 個室部:ファンコイルユニットによる個別空調方式
熱源 キャンパス内熱源プラントによる冷水供給
衛生設備
給水 キャンパス内上水・再利用水インフラの2系統引込 受水槽+揚水ポンプ+高架水槽による重力給水方式
排水 汚水雑排水屋内分流屋外合流方式 キャンパス内汚水配管放流

 

電気設備
受電方式 低圧電力2回線 3φ4W 415V(キャンパス内変電所供給)
予備電源 低圧電力 3φ4W 415V(キャンパス内変電所併設非常用発電機電源)
防災設備
消火 スプリンクラー+屋内消火栓


工程
設計期間:2012年4月~2014年2月
施工期間:2019年3月~2021年2月


外部仕上げ
屋根:コンクリートの上,アスファルト防水+押出法ポリスチレンフォーム断熱材+押えコンクリート
外壁:コンクリート打ち放しの上,撥水剤AACブロック+モルタル金ゴテ仕上げの上,塗装
開口部:アルミサッシ
内部仕上げ:大ホール
床:カーペット
壁:モルタル金ゴテ仕上げの上,塗装 有孔PBの上,塗装(ガラスクロス張りグラスウール充填)
天井:岩綿吸音板 nan

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