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花の地球館・花のタワー

The Blooming Planet Museum

A green house that captures the valley and a linear observation tower

awards:1998年中部建築賞

1.地形を活かした設計

現代の都市作や建物建設のやりかたは、貴重な地形や植物を破壊してでも、まず土地をブルドーザーで平にすることを前提としています。その典型が住宅地造成であり、そこにあった山の緑は根こそぎにして、いわゆる雛段造成をするのが一般的です。もともとの山や森の地形や稙生には地域毎にそれぞれ個性を持っているわけですが、このようにして敷地を平にしてしまえば、その個性は消失してしまうわけです。その結果として、日本中がおなじような風景になってしまうわけです。

この施設の設計に当たっては、私達はこのような思考方法を離れ、もっと自然の地形のもっている力を取り込んだ計画を作ろうと決意しました。とくに本公園のように大半が急傾斜の丘陵で占められた公園であってみれば、斜面を活かすことは、土地の有効利用にも繋がるわけです。

「花の地球館」は温室です。温室は言ってみれば、自然を生け捕りにする仕掛けですが、平地に建つ普通の温室では、内部に作られる山やせせらぎは大抵人工的な紛い物です。この「花の地球館」では、地形までもまるごと生け捕りにしてしまおうというわけです。敷地を調整池に開く小さな谷に求め、その谷をまるごとガラスの箱のなかに納めるというのがこの計画のコンセプト(基本的考え方)です。その結果、外部空間と一体的になったダイナミックな温室ができあがりました。

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2.自然を肌で感ずることができる施設

現代の都市住民は、建物の中にいても乗り物に乗っていても一日中冷暖房の効いた快適な空間で過ごし、ガラス越しに目で見ること以上に自然と触れ合う機会が極端に減少してきています。それゆえ、近年温室の人気が高まっていると理解できますが、温室は温度を維持するという特殊な機能のため外部の自然からは意外に隔絶した施設になりがちです。そこで、この計画では、温室に大きく開放出来る窓を設けて温室の内部と外庭を積極的に結び付け、アースギャラリーを吹き放しとし、「花のタワー」には外部展望デッキを設け、全体に自然な感触をもった各種の仕上材料を採用しました。これらを通して単に自然を目で見るだけではなく、風を感じ、花で匂いを嗅ぎ、足の裏で石畳の感触を楽しむことができる施設作りをめざしているわけです。

3.今園と有機的なつながりを持つ施設
可児公園の地形は周囲と中心に丘陵があり、利用のしやすい平地はドーナツ状になっています。そのため、園内の移動には一つの道筋しかなく、これの公園の魅力を削いでいました。そこで、この「花の地球館・花のタワー」をこの場所に計画するにあたって、この施設と公園の西側の地区を直接結び付け園路を新設し、この施設がドーナツの中心を横切る新たな動線の一部となることを目論んでいます。南東の大階段、東の二段の橋(下階はアースギャラリー)、北側のトンネルは必ずしも、この施設を利用しない人々も園内散策の道筋として利用できる形態となって言わば立体園路となっています。
一方、「花のタワー」に登れば、園の地形が一望でき、45メートルという高さは地上にいる人の顔つきも区別できる丁度良い高さで、この公園に一体感を与え、三次元的な公園にしています。またこの高さまで登ると里山の山並みの上に顔を出し、美濃の山並みを一望することができます。

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4.空中に浮かぶ船をイメージした「花のタワー」
「花のタワー」は、タワー(塔)といっても、通常の柱状のタワーとは少し趣が違います。展望室はあまり例のない細長い形をしており、私達は空に浮かぶ船(SKY SHIP)をイメージして設計しました。そして船は船でも豪華クルーザーです。そのため色彩は白を用い、床はクルーザーの甲板をイメージさせるような板貼になっています。手摺の形状も船の手摺を参考にしました。また、屋外の展望室は二屋上にも上がれ、二段構えになっています。

 

5.桃源郷をイメージした「花の地球館」
「船」である「花のタワー」から見れば、眼下に広がる可児公園は海底と例えることもでき、花の咲き乱れる「花の地球館」はさだめし海中のパラダイスである竜宮城かもしれません。一方、地上で温室に入る場合はどのうようなイメージでしょうか。私達は、山深き里にあるという桃源郷をイメージしました。「花の地球館」への正面入り口は花トピアの北にあり、円盤型をしています.そして入場する人は、円盤の裂け目を階段で降りてゆきます。約50メートルの「アースギャラリー」を見ながら最初の谷を渡ります。この橋はそのまま「花のタワー」が建っている山の中に入ってゆきます。初めてここに来た人は、この先になにがあるかわくわくするような気持ちで進むことになるでしょう。天井の低いエントランスホールで期待感が最高潮にまで達した後に突然大温室が眼前に広がることになります。この大花園(はなぞの)への小さな旅は、桃源郷を探し求めた中国の故事に例えてもあながち誇張ともいえないと思います。

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This long building is a gate for the Flower Festival Commemorative Park which houses ticket office, restaurant, shop, men’s and women’s rooms. It also provides visitors with waiting space for bus and taxi. The food shelter provides cooking booths and eating spaces with shade out of the sun and rain shower.

Firstly as this park is a botanical park with the world largest rose gardens and secondly as Gifu prefecture is mountainous region, using wood timber for their structure was the first choice for the sake of its association and local industry.

The gate meanders in its plan and ascends the very gentle slope from south to north. This setting was expected to reinforce the relationships between architecture on the aesthetic level and the topography and it would make visitors conscious of the topography on empirical level. In contrast to the gate which is strongly related with the earth, the roof of the food shelter is floated in the sky, lifted by the steel pipe structure. Its roof is a kind of cloud which sun light partially penetrate through.

I worked on this project with Prof. Imagawa , structural engineer. He always takes two approach on structural design; design for long life of architecture and the best use of materials to realize architect’s idea. We decided our course itemized in the following six points.

1.                 Appropriate use of wood and steel from the point of their materialistic performance
2.                 Simple and light design for joints of different materials
3.                 Maximum use of sawn wood of less than 4 m length
4.                 Use of sawn wood for compression member as it is easily cracked
5.                 Use of laminated wood for resisting bending force.
6.                 Use of steel with fine dimension to be harmonious with the dimension of the wood
The roof of the gate is supported by the specially elaborated three-dimensional structural system by Prof. Imagawa. This system is called as the diagonal-shaped suspended vilendehle system. Two concrete piers with10m distance is spanned by the composite beam of 11 diamond-shaped wooden frames and four series of steel pipes tying diamond-shaped wooden frame each other on its four vertex, and steel rods suspending the whole composite beam with some initial tension force.

awards:1998年中部建築賞

location:岐阜県可児市瀬田三ツ股県営可児公園 / Kani, Gifu

completion date:1995.3

principal use:植物園、タワーレストラン / Green house and Observation tower

architect:アプル総合計画事務所、 岬建築事務所、GIA設計

structural engineering:花輪建築構造設計事務所

mechanical and electrical engineer::総合設備計画、岐阜建築設備計画 / sogo consultants

contractors:東急・吉田建設工事共同企業体

number of stories:地上2階、地下1階

structure:RC造+S造

site area:746000

building area:温室2,473.43 、タワー472.93

total floor area:温室2,944.52 、タワー422.06

photography:

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