バルコニーハウス
Balcony house
眺望と隠れ場
一階に開口部がほぼ無いに等しいため、住宅と見えない違和感があるようだ。外観は単純な箱型、前面の通りに面して大きな開口部が開いている。これがこの建物と街をつなぐ中間領域である。
大きな開口部は既製品引き違い窓の最大サイズを4つ並べている。内部側はルームバルコニーとなっていて、その下は全て収納空間。ルームバルコニーはリビングと二階の部屋をつなぎ、階を移動する階段の踊り場でもある。ここからは公園の緑が見えたり、交差点を見ながら移動する。この場所で洗濯物干しもする。
リビングはルームバルコニーよりさらに1.3m下がったところにある。天井高さは約5m、大きな開口部があっても、隠れながらにして開放的。
リビングの両側に諸室を配置している。明確な機能を有する諸室は構造用合板で仕上げた壁の向こうにある。この建物は中心に大きな気積をもち、包み隠しながら街とつながる空洞をもつ建築である。